留学前の助成金の申請

留学中のサラリーについては1年目からもらえるところもあれば、最初の1年分は自分で助成金を取得しておく必要があるところなど様々です。ボスとの留学前の面談で聞いておいた方が良いと思います。今後の自身のキャリアアップの為にも、自分で助成金を取得しておいた方が、受賞歴にも記載できますし良いと思います。

NIHが勧告しているポスドクの給与水準の兼ね合いで、留学前に申請する助成金の金額が上がっているところが増えてきており、留学したい人にとってはとても心強いと感じると思います。ここ最近でもかなり変化がありますので、色々なブログなどで記載されてたりもしますが、ぜひ自分で確認されることをお勧めします。私が調べた限りのリストを下に記載しておきますので、何か参考になればと思います。その際に私が気にしたのが、①助成期間、②助成金額、③申請締め切り、④留学後も申請が可能かどうか、です。④については、留学後も取ってきてくれるようなラボメンバーの日本人に対してはボスは非常に好意的に感じると思います。私は直接言われたことは無いですが。

 

1.日本学術振興会 海外特別研究員 

日本国内で一番手厚いグラント。出国・帰国の際の航空チケットも申請する事が可能ですが、金額の上限があります。私が先方に尋ねたところ、明確な数値は教えてくれませんでした。片道チケットで申請しないといけないので、日本の航空会社のチケットでは30万円以上し問い合わせの時点で却下されたので、とある海外航空会社でカナダのバンクーバー経由で渡米しました。細かい渡米当日の様子などは後のブログで紹介したいと思いますが、他国経由ですと、カナダの場合は別にeTAの申請(アメリカで言うところのESTA)が必須ですので注意が必要です。チケット手配会社からこういう情報は頂いたりすると思うんですけど、私の場合は全く知らず空港のチケットカウンターでその旨を言われ、カウンター前でeTAの情報入力をパソコンで急遽しました。

注意点:申請締め切りが一番早いので、前もって面談してボスからOKの了承を売る事、手続きをする際は留学先のボスが入力するフォームがあるので、前もってその点もボスに連絡する事が必要です。これが結構厄介で、余裕を持って作成していたつもりでしたが、ボスが運悪く長期休暇中で、締め切り前日にたまたまメールを見たボスが気付いて入力完了し、あとは日本の所属施設の方に申請手続きの最後をしてもらって、本当にギリギリで申請を終えました。長い休暇を取っているボスもいたりするので、前もってお願いする必要があります。私は前もってお願いしてボスからOKと言って頂いてたんですが、あの時どうしたら良かったのか、今振り返っても名案はないんですけど、ボスには具体的にいつくらいに(これも言っていたように記憶しているんですが。。)、どのような作業(これが実際に自分で入力フォームが見れないので上手くボスに説明できない。。)が必要になるのでお願いしますって、伝えておいた方が良かったのかなと思います。

助成年数 2年

助成金額 約450-620万円/年

申請締め切り 2020年5月上旬

留学後の申請 可能 2次面接が必要な場合はそのために帰国しないといけませんが、私の友人は留学先から申請し、2次面接で一時帰国しましたが無事合格しました。海外から申請した方が通りやすいかどうかは不明ですが、サイエンスの世界ですので皆がフェアに選ばれていると思います。

 

2.上原記念財団 

有名な民間の助成プログラムです。2つあって、助成期間中の年収が600万円以下であればリサーチフェローシップ、250万円以下であれば、ポストドクトラルフェローシップに申請が可能です。その他の内容は大方一緒です。

助成年数 1年 

助成金額 既婚者と独身者の内訳で、更に留学前・留学中の区分で助成額が異なる。

     既婚者 450万円(留学前)、410万円(留学中)

     独身者 390万円(留学前)、350万円(留学中) 

申請締め切り 2020年9月3日

留学後の申請 可能 例えば留学先から多少給与をもらいつつ、この助成金を取得することができれば、ボスも助かるし本人もかなり楽に生活できると思います。

 

 

3.武田科学振興財団 

私が留学前にはなかったのですが、非常に手厚い助成だと思います。留学1年半後に再審査して延長するかの判断がなされるようです。私たちみたいに5人家族で留学というレアケースの場合は、追加で銀行口座の証明などが必要になるかもしれません。

助成年数 最長4年

助成金額 480万円/年

申請締め切り 2020年10月9日

留学後の申請 不可 申請資格が国内在住者という事なので難しいでしょう。

 

4.中富記念財団

応募開始の時点で35歳未満というところは注意が必要です。

助成年数 1年

助成金額 50万円を基準とする、とあるので、多少変動があるのかもしれません。

申請締め切り 2020年9月30日

留学後の申請 可 日本国内の施設長(学長等)の推薦が必要なので、それが可能な人は申請できるかもしれません。私の友人の一人はこれを受領して留学しましたが、留学先のセットアップで助かったようです。

 

5.持田記念医学薬学振興財団

助成年数 1年

助成金額 50万円

申請締め切り 2020年5月13日

留学後の申請 不可